塗工装置とは、フィルムに磁性塗料を塗る装置で、 磁気テープや、フロッピーディスクを製造する上で最も重要な装置で、 製品の性能と生産生がこの装置の設計で決る。
リップとは、 塗工装置の先端部のまさにフィルムに塗料を塗り付けるほんの1ミリ程度の長さの 部分のこと。 リップの設計では、磁性体の膜圧、生産速度、 フィルムの剛性などのパラメータを入力し、この形状を決定する事が主目的で 塗工性能はこの設計にかかっており、 この形状が数ミクロンずれると塗工不能になってしまう。 計算モデルには、自由境界を含み、 フィルム(弾性体)と流体との連成問題を解き、 非ニュートン生(冪乗則)を考慮する (塗料は粘弾性体だが、ここでは弾性は考慮せず)。 また、設計指針を決定するためには、 自由表面の流体安定生解析なども行う必要もある。 下の図は、計算の一例で、 下面がフィルム(弾性体)、左上面がリップ面(剛体)、右上面が自由境界 となっている。